「アクションポート横浜」設立の背景
横浜市では、2000年に横浜市市民活動支援センターを設置し、2005年からは、市民活動関係者から構成される横浜市市民活動支援センター運営委員会に運営を委託してきました。
こうした市民運営による市民活動支援センターにおいては、施設の管理や相談対応にとどまらず、NPO間の交流、企業、大学、行政等の連携などによる多くのプロジェクトを実施してきました。地域課題解決に向けては、NPOがさらに力を高めていくとともに、企業、大学、行政等と連携した取り組みが必要であることを実感してきました。
現在横浜市では、市民活動支援センターのより市民主体の運営をめざして、2009年度から運営主体の公募が検討されています。
そこで、こうした動きを契機として、横浜市市民活動支援センター運営委員会委員有志と、横浜市内のNPO関係者、企業関係者、大学や研究機関関係者、有識者等が集まり、これまで市民活動支援センターで実施してきた事業の蓄積を活かしつつ、横浜の地域課題解決のためのセクター間の連携を支援し、自らもセクター間連携による先駆的なモデル事業に取り組む、新たなNPO法人「アクションポート横浜」を立ち上げることにしました。
ミッション
市民と企業の連携によるエコシティの実現
- 横浜市市民活動支援センター運営委員会が実施している「みなとみらいクリーン大作戦」では、市民と企業が中心となって花火大会でのゴミの分別・資源化に取り組み、「イベントをエコにするネットワーク」の設立にも結びつきました。ゴミの減量化や資源化から、さらに進めたゴミ排出を抑制する都市づくりへの動きが生まれつつあります。こうした動きを活性化し、さらに温暖かなど地球規模への問題も視野に入れることで、エコシティの実現をめざします。「アクションポート横浜」では、エコシティの実現をめざし
- ① 「みなとみらいクリーン大作戦」「横浜のイベントをエコにするネットワーク」「みなとみらい企業サロン」などを通して、横浜の企業の参画と、NPOとの連携を図ります。
- ② 国際都市、観光都市という横浜の特性を踏まえつつ、市民と企業が参加する環境配慮の事業やしくみづくりに取り組みます。
- ③ 川、海、森に関わるNPOの知恵を活かし、横浜の地形に配慮した都市計画を提案します。
多様な文化・属性をもつ人たちの生活や人権が保障される共生都市の実現
- 2009年度に横浜市は開港150周年を迎えます。市では記念イベントを大々的に実施する準備を進めていますが、一過性のイベントに終わってしまうことが懸念されます。
- 横浜市市民活動支援センター運営委員会では、地域で活動するNPOと、開港150周年に向けた議論の場を持ち、その中から、横浜が多様な国籍をもつ人々、障害をもつ人たちなど、様々な属性をもつ人たちにとって、必ずしも住民として安心して暮らせる都市となっているとは言えず、市民相互の理解も不十分であることを実感しました。
- 開港都市横浜にふさわしい、多文化共生と人権保障への理解が浸透し、日常生活や災害時におけるサポートシステムが充実する共生都市の実現をめざします。
- 「アクションポート横浜」では、共生都市の実現をめざし
- ① 開港150周年を契機に、これまでなかなか交流や連携がはかれなかった、各分野のNPOがお互いを知り合う事業を企画し、市民相互の交流を図ります。
- ② NPO、企業関係者、研究者などとともに、横浜の今後の都市像(ビジョン)を模索し提案します
市民とNPOが支える地域社会の実現
- 市民が暮らす足元の地域で、創造的な地域社会を創るためには、多様な市民が地域の課題解決に取り組むことが必要です。
- また、テーマコミュニティであるNPO、地域コミュニティである地域組織など、性格を異にする多彩な組織が集まって総合的な力を発揮することで、地域の活力が高まります。
- 横浜市市民活動支援センター運営委員会では、市内のNPOに対して、コンサルティングや専門家派遣の組織強化支援を行ったり、市内の大学と連携したNPOインターンシップにより若者のNPO参加と育成を促してきました。また、横浜市都市整備局と協働で実施してきた「ヨコハマ市民まち普請事業」では、地域の様々な組織が協力しあいながら進めるまちづくりを応援してきました。
- こうした、様々な市民、NPO、地域組織などへの関わりを活かして、市民とNPOが支える地域社会の実現をめざします。
- 「アクションポート横浜」では、市民とNPOが支える地域社会の実現をめざし、
- ① NPO、地域組織、学校、コミュニティの施設や拠点などを支援します
- ② 大学と連携して若者の地域参加と人材育成をはかります。
- ③ 都市整備局等とも連携して地域のまちづくりに関する相談やコンサルティングを行います。
実現手法
市民とNPOのエンパワーメントをはかる
企業セクターや行政セクターに比べて、市民セクター(NPOセクター)の力はまだまだ十分とはいえません。市民セクター(NPOセクター)が力を蓄え、行政や企業と対等に連携できるようになることが地域力を向上させます。
「アクションポート横浜」は、市民組織であるNPOを支援するとともに、市内の企業や行政の適切なNPO支援を促すことで、市民とNPOのエンパワーメントをはかります。
NPOのネットワークを形成する。
NPOは個々に活動することが多く、分野ごとのネットワークはありますが、分野を越えた連携や地域ごとの連携はなかなか難しいのが現実です。
「アクションポート横浜」は、プロジェクトごとに、様々な分野で活動するNPOや、分野ごとの中間支援組織、ネットワーク組織と連携し、NPOセクターの力の結集をはかります。また、地域におけるNPOと様々な組織とのネットワーク形成をすすめます。
NPO、企業、大学、行政のセクター間連携をすすめる
生活の場としての課題、国際的な大都市としての課題など、横浜にはさまざまな地域課題が交錯しています。こうした地域課題の解決のためには、市民活動が分野を超えて連携したり、企業や大学、行政などの他のセクターと協力するなどして、新たな行動やしくみを創造することが不可欠です。また、地域や課題に応じて行政の分野別施策を組み合わせ活用していくことも必要です。
「アクションポート横浜」は、セクター間の連携や調整を促し、より多くの企業や大学が、地域の課題解決に関わるよう促します。
国内外のNPOや中間支援組織との連携をはかる
横浜の地域課題に取り組むためには、全国や国外の事例が参考になったり、国内外の幅広いネットワークが課題解決に効果をもつこともあります。他都市のNPOや中間支援組織と連携、また、横浜と共通する歴史や課題をもつ海外の都市(韓国や英国等)のNPOや中間支援組織との連携をはかります。
行政各分野の施策を横断的に活用する
市民活動の推進は、直接的には横浜市市民活力推進局が担当していますが、都市整備局、環境創造局、経済観光局や健康福祉局など、市民活動と関わりが深い部局もたくさんあります。また河川の保全など市域を超える活動を行う場合には、県や国との関わりも重要になります。
「アクションポート横浜」では、横浜市の行政各部署、県や国の関係部署とも連携し、分野横断的に市民活動団体・地域組織と行政をつなぎます。
シンクタンク機能を強化する
NPO、企業、大学、行政等の連携により、それぞれのもつ経験や知見を持ち寄り、実践に基づく研究や政策提言の機能を強化します。
若者の人材育成と地域参加を促す
市内には27の大学(大学21校、大学院2校、短大のみ4校)が存在します。横浜市市民活動支援センター運営委員会が実施している「NPOインターンシップ」「夏塾ボランティアナビゲーション」は、市内の数大学及び30名以上の教職員と連携して、学生が一定期間NPOで体験活動を行う事業です。
このように大学と連携した若者の地域参加を促すことは、学生への教育効果、学生を迎える団体の活性化、大学の地域貢献の促進など、様々な成果が期待できます。
「アクションポート横浜」では、NPOインターンシップに参加する大学を増やしつつ、若者の人材育成を図り、若者がNPOや地域の活動の担い手として活躍することを支援します。
連携と創造の拠点をつくる
セクター間連携による新たな行動やしくみを創造するために、各分野のNPO、企業、大学、行政などが集結できる拠点が必要です。拠点は、日常的に情報発信を行なったり、新たな行動を提案したり、また、誰もが気軽に訪れて相談したり、知恵を持ち寄ったりできるような開かれた場であることが必要です。
「アクションポート横浜」は、横浜市市民活動総合支援拠点の運営団体に応募し、支援センターを拠点とした事業展開を行いたいと考えます。将来的には、民間の拠点づくりなどもめざします。
事業内容
「アクションポート横浜」は、ミッションを実現するために、様々な組織との連携により、次のような事業を実施します。
■ エコシティ実現プロジェクト
■ 共生都市実現プロジェクト
■ 市民とNPOが支える地域社会づくりプロジェクト
■ 相談対応
■ 情報提供
■ 政策提案
■ 研修・講座
■ 拠点運営
組織体制
組織形態
「アクションポート横浜」は、NPO、企業、大学、行政等の各セクターの個人・組織から構成されるNPO法人として設立します。
組織体制の特徴
・NPO関係者、企業関係者、大学関係者によるプラットホームを形成します。
・プロジェクトごとに、NPO、企業、大学、行政など各組織間の連携体制をつくります。
・各分野のネットワーク組織や支援組織との連携を重視します。
財源
・ 設立者からの拠出金、社員からの会費を設立当初の財源とします。
・ 横浜市市民活動総合支援拠点の運営団体に選出された場合、横浜市からの補助金によって、拠点運営の財源の一部を確保します。
・ 会員からの会費、寄付、自主事業収入、助成金・補助金、受託料など財源の多様化をめざします。
・ 会費、寄付、自主事業収入など自主財源の拡充を図り、財政的な自立をめざします。
発起人
・発起人は、「アクションポート横浜」の趣旨に賛同し、設立者となる人たちです。
・NPO、企業、大学のそれぞれのセクターで活躍する人たち、市内の各分野のネットワーク組織や支援組織の関係者が、発起人として参加します。
理事会
・理事会は、組織経営とプロジェクト推進の中核を担います。
・理事は、発起人の中から、組織経営やプロジェクトの推進を分担できる人たちで構成します。
社員
・社員は、NPO、企業、大学、行政等、個人と団体を広く募ります。
事務局
・事務局の所在地は、当面は、横浜市中区の株式会社地域計画研究所内におきます。
・事務局は、事業を遂行できる経験と知識のある人材を雇用します。
・参加する組織から事務局への人的支援(派遣等)を募ります。
プロジェクトチーム
・プロジェクトは、それぞれチームをつくって進めます。プロジェクトチームは、担当理事、担当事務局を中心に、協力者(個人及び団体)から構成される機動力のあるユニットとします。
セクター間連携
セクター間連携の必要性
アクションポート横浜は、NPO、企業、大学・研究機関等のメンバーが発起人となり、セクター間連携による地域課題の解決を目指しています。プロジェクトごとに、各セクターの組織が連携するコンソーシアム体制を形成し、将来的にはプロジェクトごとのコンソーシアムが連携し、包括的、複合的なコンソーシアムを実現したいと考えています。
NPO、企業、大学・研究機関、行政など、それぞれの組織はそれぞれのミッションや手法のもとで、地域課題解決に寄与しています。しかし、今日、環境、福祉、多文化共生など、さまざまな課題を解決するためには、個々の組織の取り組みや、セクター内連携の取り組みだけでは限界があり、異質なセクターが、それぞれのノウハウやネットワークを持ち寄ることで、課題解決に向けて相乗的な効果が期待できるものと思われます。
それぞれのセクターに期待されること
NPOは
・ 市民、生活者の視点から社会をより良い姿に変革し、真の市民社会づくりに貢献するために、実践的な活動や事業を行う。
・ 一般には見過ごされがちなコミュニティ、地域、社会等に存在するニーズや課題を明らかにし、アドボカシー、キャンペーン、啓発活動、政策提言等を通じて問題の重要性、解決策の必然性を社会に向けて発信する。
・ 社会的課題を分析し、より大きな社会的成果をもたらすために、市民の参加・協力、NPO同士の連携、企業、大学、行政など他のセクターとの連携・協力の必要性やその具体的方策を明らかにし、 実践する。
・ 社会的意識の高い人材、社会的課題を解決する能力をもつ人材を発掘もしくは育成するために、大学、企業、行政との連携をはかり、研修や活動の場を提供する。
企業は
・ 社会性を意識する企業風土を醸成する。
・ 企業特性をCSR(社会的責任)の視点から分析し、CSR、社会貢献活動に関する理念、方針を明確にするとともに、各社が取組むべき社会的課題を明らかにする。
・ 企業の社会的活動とは社会に対し経営資源を開くことであり、その取り組みは本業と社会貢献活動との2本柱で考える。
・ 自社の取組む社会的な活動がより大きな成果をもたらすよう、戦略的に経営資源を投入する。
・ 公正で働きやすい職場の実現、社員の社会的問題意識を喚起する研修や社員参加型社会貢献活動などに取組む。
・ NPO、地域社会、地球環境を含めたグローバル社会等のステークホルダーに対する理解を深め、社会的取り組みには、NPO等との連携・協力を積極的に推進する。
大学・研究機関は
・ 地域における諸課題を専門機関として研究し、成果を地域の発展や課題解決に還元する。
・ NPOや企業と協働して、地域課題の研究を推進し、また、成果の還元を効果的に行う。
・ 市民に対して公開講座等を実施し、地域課題についての問題提起やNPOの取り組みの普及を図る。
・ 市民に参加を呼びかけ、市民参加型共同研究を実施する。
・ 教員や研究員等、専門的な人材をNPOに派遣(短期・中期・長期)し、NPOの専門性を高める。
・ 学生にNPO等、社会貢献できる場の情報を提供する。
・ NPOインターンシップ制度等、学生が地域の活動を体験する機会をつくり、人材育成をはかるとともに、NPO等の活性化を支援する。
・ 大学施設を、NPOや市民に開放し、活動や研究の拠点として機能させる。
行政は
・ NPOの活動や事業が発展するための環境整備(場所や資金の提供など)を行う。
・ 行政の施策や事業を、NPOが効果的に活用できるよう、情報提供を行う。
・ 市民やNPOの意見や提案を行政施策に反映させる。
・ NPOの財源確保のために、住民税の寄附金控除など、税制上の優遇措置を実施する。
・ NPO、企業、大学・研究機関等の連携が促進されるよう、仲介機能をもつ。
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